【悩めるフリーランス】支払を渋るクライアントとの攻防

フリーランスになって約5年。今までいろいろなクライアントさんからお仕事を頂いてきて、特に問題無くほとんど全てのお仕事を完了し、お支払を受けてきました。

フリーランスともなると、「相手がちゃんと支払ってくれなかったらどうしよう」という不安もあったりするわけですが、幸運なことに今までそういったことは一度もなく、請求書を送ると、早ければその日のうちに、遅くても翌月末くらいには支払ってくれるクライアントさんとしか、出会いませんでしが。

ところがこの夏。まさかの、「なかなか原稿代を支払わないクライアント」と出会ってしまいました。

今も攻防中なのですが、とりあえずここまでの経過と、私が取った対応策をお伝えしたいと思います。

SNSから仕事の依頼が来る

ことの起こりは今年の7月。

Twitterの、私のライターアカウント宛にとある企業からリプが来ました。

「お仕事を頼みたいのでフォローバックしてください」

という内容。

正直、ライターのアカウントは所持しているものの滅多に使用していなかったので

「なぜ?」

「何か怪しい誘いでは?」

「いたずらかも」

と思いっきり警戒したのですが、一応フォローバックして「フォローバックしましたが、どういうご用件ですか」とDMを送ってみたのです。

すると「メールで詳しい話をしたい」という返事が来て、メールアドレスが記載されていたのでそちらにメールを送信。

帰ってきた内容は、

「新しく立ち上げたコスメブランドのライティングを頼みたいのだが、一度会って話せないか」

というものでした。

会社名が記されていたので調べてみたところ、住所は港区。小規模ながらにきちんとしてそうなイメージを受けたので、とりあえず面会をOKし、日程を調整しました。

会社を訪問、かなり好印象を抱いた

数日後、港区赤坂の雑居ビルに入居しているこの会社を訪問。

直前まで「もしかしてMLMの誘いだったりするかもしれない。そうしたら即座に断って帰ろう」と思いつつ、警戒しながらドアをノックすると、若い女性が出てきて会議スペースのようなところに通されました。

会社の雰囲気は普通の事務所。オフィスにいるのは数名で、おかしな空気はありません。

低いパーテーションで区切られただけのスペースで待っていると、40代中ほどだと思われる女性がやってきて、丁寧なあいさつをしてくれ、名刺交換をしました。

話を聞くと素材にこだわったオーガニックコスメで、会社としてもかなり力を入れた製品だそう。

確かに「オーガニック」や「コスメ」というワードは私のライティングの分野と被るけれど、それほど名前の出るライティングをしているわけでもないし……

と思いながら話を聞いていたところ

「実は〇〇(ライタープロダクション)のライター紹介のページで、トリコさんのプロフィールと過去に書かれた記事を見つけ、最初はプロダクションを通して依頼しようとしたんです。

けれど申し込み画面に入力する内容が非常に細かくて、ちょっと大変で……

でもどうしてもトリコさんがいいと思ったので、ネットで検索したらSNSが出てきたのでそちらから頼みました」

とのこと。

それを聞いて、そういうことか!と納得しました。確かに農業系のライティングやオーガニックに関するライティングをした実績が掲載されているから、まあ納得です。

それから、秋の展覧会に商品を出品するので、その際に配るパンフレットに記載するライティングと、公式サイトのメインコンテンツのライティングを依頼したい、これだけの金額で、という話があり、納得できる料金と作業量だったので了承。

商品についての詳しい説明を受けました。

その会社の取り組みや目指す姿勢にはとても共感できる部分があり、「こんな素敵な商品に携われるなんて幸せ!これはぜひ、原稿代が入ったら自分でも購入して使ってみたいし、使ってみて良かったら、友達に紹介したいし、自分のサイトでも(このサイト)紹介しよう!」くらいに思ったのです。

ライティングに使用する資料一式を受け取ってその日は帰宅。翌日にはメールで契約書が届きました。

ライディング→納品

「急いでいるので、できるだけ早く原稿が欲しい。8月上旬までに納品できるか」

と聞かれていたので、納期に問題ないこと、できるだけ早く納品することを約束してさっそくライティング。数日かけてパンフレット用の記事4本をかき上げて納品しました。

その翌日。

関東のとある私鉄の変電所で火災があり、某路線が停電して電車が始発から動かなくなるという事件がありました。

この案件の担当者の女性もその路線に住んでいる人で「今日は出勤できないので在宅で仕事をしていますが、メールは見れるし電話にも出られますので、何かあれば連絡してください」と連絡があり、いくつかの修正の指示がメールで届きました。

数日後、修正した記事とともにWebコンテンツ用の記事を納品したところ、翌日には「記事を確認しました、これでOKです」と返事が届きました。

お礼と、請求書を送ります、と返信したところ、このメールに関しては返事が無し。

これまで全てのメールに返事が来ていたので、「急に返事が来なくなった(お金の話になったら返事が来なくい?)」という印象がありました。

メールに請求書を添付し忘れていた

これまで数多くのクライアントさんとやりとりをしてきましたが、ほとんどのクライアントさんが「請求書はPDFで作成し、メールで送ってくれればOK」だったため、この化粧品の会社にも同じようにメールに添付して送ったつもりでいました。

ところが、いつまでたっても振り込まれない。

月末まで待ち銀行の取引履歴を確認したけれど振込がない。

おかしい、とメールを見直したところ、「請求書をお送りします」と書いたメールにファイルを添付し忘れていたことに気づいたのです。

「あ!」

と思い、慌てて、前回のメールに請求書を添付し忘れていたことを謝罪し、改めて請求書を添付して送信しました。

これが、8月末の出来事です。

(この時、請求書が添付されていないのなら、「ファイルが添付されていないみたいですよー」と連絡してくれても……。と思っていました)

メールに返事がないまま1週間

ところが、請求書を送ったメールに対して全く返事がきません。

1週間待ったのですが、返事なし。しびれを切らし、こんなメールを送信しました。

TO 担当者

CC ブランドの問い合わせメールアドレス(info@ブランドのドメイン)

 

請求書を先日送りましたが、確認してもらえましたか?

メール事故だといけないので、返事頂戴ね、というような内容

ところが、このメールにも返事なし!

いや、さすがにおかしいだろ!

担当者、もしかして入院でもしたか?

でも、それならそうと、ブランドの問い合わせメールアドレス(info@ブランドのドメイン)を見た社員がだれか返信して来いよ!

普通そうするよね!?

そんな思いで、数日後、会社の代表電話番号に電話をしてみることに。

すると女の子が出て、

「〇〇(担当者)は本日は自宅で勤務しております」

とのこと。

「メールの到着確認をしたいので、私に電話をするように伝えてもらえませんか?」

と伝言を頼みました。

電話は来たけど……何、その対応(怒)

それから30分ほど後に電話が来たのですが、なぜか向こうがムッとしている感じで

「会社にお電話いただいたそうで」

という切り出し。

「請求書のメールを送ったのですが、1週間ほどお返事がなかったので、ご病気かと心配しまして……」

と話すと

「先週は展示会の準備で忙しくて、メール見てませんから!」

という返事。

いやいや、ちょっと待てよ……

でも今日在宅勤務だよね?

前に停電で急に在宅勤務になったときは、自宅でメール確認できてたよね????

「明日は出社できると思いますので、メールを確認したらご連絡します」

と強い語気で言われてしまったのです。

「ご病気じゃなくて良かったです……」

と言ったものの、それに対する返答などなく、なんとなくこちらが下手に出たまま電話を切ったのですが、落ち着くにつれ

いや、あの対応ちょっとおかしくない???

と、ムラムラと怒りがこみ上げてきました……

請求書確認しました、今月中に入金します

翌日。

その担当者から「請求書のメール届いてました、今月中に入金します」という返事のメールが届きました。

また、「不安にさせてしまいすみません」という謝罪の文章もあったので、「まあ、仕方ないか。イライラしてるときもあるよね」と自分を納得させたのですが……

振り込まれない。

いつまで待っても振り込まれない。

あれ???

 

今月中、って、月末かな?

もしかしてすべての振込を月末に行う会社なのかな?

 

そう思い月末まで待ったのですが、私の原稿代はやっぱり振り込まれなかったのです。

もう一度メールを送る。今度は代表問い合わせメアドをCCに

「いやもうさすがに、おかしいだろ。これってどうなの!!!」

10月1日、さすがに私も黙っていられなくなり、再度確認のメールを送信することに。

 

TO 担当者

CC ブランドの問い合わせメールアドレス(info@ブランドのドメイン)、会社の問い合わせメールアドレス(info@会社のドメイン)

 

9月中に振り込むっていうお返事もらってたけど、入金が確認できないよ?

処理、どうなってるか確認して!という内容

今度は会社の問い合わせメールアドレスもCCに入れたので、まともな会社なら誰かがこのメールを見て

「ちょっとちょっと、これヤバイでしょ。どうなってるの?

お金のことはちゃんとしないとだめだよ、すぐに振り込んで謝罪の連絡して!」

となるだろう、担当者はお叱りを受けるはずだ……

という目論見でした。

 

ところが、

ところが!!!!

 

このメールにも返事なし!

 

いやもうほんと、どうなってんだよ、この会社!!!!

ありえないだろ!!!!!

 

24時間待ったけれど返信がなかったので、もう待っていられない、と再び電話をすることにしました。

通話内容を録音する

もうこの時点で私のこの会社に対する信用はゼロ。

どいつもこいつも信じられん、という気持ちになっていたので、取材ライターならみんなが持っているボイスレコーダーを用意。

通話内容を全て録音して記録に残しておくことにしつつ、会社の代表電話番号に発信しました。

しばらくたって電話がつながり、出たのはどうやら高齢の男性?

しかも、背後がなんだかザワザワしている……

私が名乗ると、「ああ、お支払の件ですか」とその男性。

ハイ!?

そしてその男性は「実は今病院で……ゴホゴホ。ええと……改めてこちらから連絡します」と言います。

いや、確かに具合は悪そうな雰囲気だけど……

「あの、〇〇さん(担当者)はどうされたんですか?」と聞くと

「〇〇は、担当を外れています。もともと、企画とかそういうのをやってもらっていて……」

とのこと。

なんだ???

でもまあ、とりあえず〇〇さんはもう関係ないのね?(ていうか、支払処理をしないままに担当外れたんかい<怒>)

「わかりました、で、いつ折り返しのお電話いただけますか?」

と聞くと

「今日の午後には……ゴホゴホ」

というお返事。

さすがに心配になったので

「あの、大丈夫ですか?」

と聞くと、「……(重い沈黙)まあ、こちらのことなので、ではまたのちほど」と電話を切られました。

最後に名前を聞くと、会社の代表者だそうで……

ってか、会社の代表電話番号にかけると代表者の携帯につながるって、今、電話番をするスタッフすらいないってこと!?

と、この時初めて、その会社がかなりヤバイ状態になっているのでは、と気づいたのです。

折り返しの電話が来ないから、こちらから発信する

というわけで、その日の午後、ずーっと折り返しの電話を待ちつつ仕事をしていたのですが、いっこうに電話が来ない。

もしかしたら体調が本当に悪いのかも、と思ったのですが、こちらとしても原稿代が支払われないのは困るので、17時を過ぎた時点でもう一度電話をしてみました。

すると今度は元気な声で電話に出て(でもやっぱり代表者の携帯に転送だった)

「そちらからかけてもらっちゃってすみません。金曜日中にはお支払をするので」

というお返事。

私は録音中のボイスレコーダーを握りしめ

「金曜日中ですね?お待ちしていますから」

と言質を取って電話を切りました。

 

というわけで、まだ支払はされていないのですが、もし金曜日の15時になっても振り込まれないようであれば、内容証明郵便を送ろうと思っています。

もし、支払われなかった場合、フリーランスが対応すべきこと

で、「午後折り返します」と言われた電話を待っている間、私もいろいろ調べてみました。

この情報、全国のフリーランスの皆さんも知っていた方が良いと思うので共有します。

未支払の原稿代(報酬)は、3年で無効になる

なんと売掛金(報酬)は3年経つと無効になってしまい、請求できなくなってしまうとのこと。まだ請求していない報酬、支払われていない報酬があれば、しつこく支払を催促しなくてはいけません。

最終的に少額訴訟にもっていける

催促しても催促しても支払われない場合、50万円以下なら少額訴訟を起こすことができます。少額訴訟は弁護士不要で個人が起こせる裁判です。

こちらが裁判を起こすと、被告人には裁判所から裁判の日時と出頭命令が出されます。もし、被告人が裁判所に来なかったら、こちらの勝ちとなります。

最後は強制執行で取り立て可能

裁判でこちらが勝ち、それでも相手が支払わない場合、強制執行という手続きで、相手の銀行口座や財産を差し押さえ、そこから支払を得ることができます。

ただしこれは、相手にまだ支払えるだけの財産があった場合の話。もし相手が倒産したり自己破産していた場合、取り立てる財産すらなくなるため、「向こうの会社、ヤバそうだぞ」と思ったら、なるべく早く訴訟を起こさないと、1円も取り立てることができなくなります。

いきなり裁判は無理、何度も催促した記録を残せ

とは言っても、いきなり裁判をしても強制執行に持ち込むのは難しいそう。

まずは相手の支払意思を確認して督促状を送り「この日までに払って」という「催促した記録」が必要です。

そのため、メールを送ったらメールは消さずに残して置く、電話をしたら内容を録音する(言った言わないの話になるのを避けるため)、郵便を送る場合は内容証明郵便を使う(1300円かかります)という手段を取りましょう。

ちなみに、電話で相手と話せたときは「24時間以内に振り込んで」など、できるだけ無理のない範囲の短い期間を指定するのが有効なようです。

 

そうそう、取材ライターなら誰もが持っているボイスレコーダーなのですが、「持っていないよ」という方や、「これから取材ライターを目指したい」という方には、こちらのモデルがおすすめです。

お値段の割に性能が良く、指向性が高くて相手の声をしっかり拾います。相手の声が小さくてもけっこうはっきり録音できるので安心です。

とあるイベントの取材で、その場にいたライター全員が持っていたボイスレコーダーを出してテーブルに置いたところ、全員同じモデルだった、ということもありました。私ももちろん、これを使っています。形はごついですが、性能に優れていて丈夫。落としても壊れることなく、コスパは高いです。

 

まずは今週末まで待ち、それでもだめなら次の手段に進みます。

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